日本大腸肛門病学会雑誌
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腸管ベーチェット病および単純性潰瘍の臨床的検討
押谷 伸英川島 大知稲川 誠十河 光栄飯室 正樹神野 良男山上 博一濱崎 尚子澤 禎徳原 順一中村 志郎松本 誉之荒川 哲男北野 厚生黒木 哲夫
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2000 年 53 巻 2 号 p. 116-122

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抄録

当科にて現在まで経験した腸管ベーチェット病9例および単純性潰瘍4例について臨床的に検討した. 性別は男性11例, 女性2例である. 初発年齢は11歳から58歳, 平均36歳である. 診断の内訳は完全型ベーチェット病1例, 不全型ベーチェット病3例, ベーチェット病疑いが9例であり, 疑い症例のうち消化管病変以外のべーチェット病症状を認めない症例は4例である. 初期診断はクローン病4例 (うち1例は虫垂炎, 他の1例は腸結核も疑われる), ベーチェット病3例, 大腸癌2例, 若年性関節リウマチ1例, 膠原病1例, 単純性潰瘍1例, 不明1例である. 完全型および不全型ベーチェット病では2例で腸管切除が行われ, 頻回の入院歴がある. ベーチェット病疑い5例のうち2例で腸管切除が行われているが, 単純性潰瘍4例では1例が大腸癌の疑いにて腸管切除が行われているほか手術および入院の既往はなく, 臨床的に腸管ベーチェット病と異なる経過であった.

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