日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸癌肝転移の診断におけるSuperparamagnetic Iron Oxide (SPIO)造影MRIの臨床的意義に関する研究
矢野 美弥板橋 道朗亀岡 信悟
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2001 年 54 巻 1 号 p. 8-17

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抄録

SPIO造影MRI(以下SPIO-MRI)の診断能を従来法と比較し有用性を検討した.対象は1987年~1999年までの大腸癌肝転移症例198例である.各画像の診断率は,USのsensitivityは75.3%,Positive Predictive Value(以下PPV)は97.3%,CTのsensitivityは77.6%,PPVは96.4%,CTAPのsensitivityは96.4%,PPVは83.1%,SPIO-MRIのsensitivityは84.4%,PPV 100.0%であった.CTAPのpseudo lesionを14例に認め,これらはSPIO-MRIで鑑別可能で,PPVはCTAPで低下したがSPIO-MRIでは良好であった.2cm以下の微小肝転移巣の診断でsensitivityがCTおよびUSで低下したがCTAP,SPIO-MRIでは良好であった.SPIO-MRIで測定した腫瘍径は実測値に近く腫瘍形態も正確に表現していた.

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