2002 年 55 巻 10 号 p. 846-850
大腸sm癌を750μmを境にsm-mild癌とsm-massive癌に分けて,sm-massive癌の特徴的なX線所見を求めた.病変による腸壁の変形を認めた場合はsm-massive癌であった.しかし,sm-massive癌でも腸壁に変形を認めない例もあった.隆起型sm-massive癌の1/3はバリウム斑を有していた.無茎性sm-massive癌で病変辺縁に平滑な隆起を認めた.表面陥凹型sm-massive癌の特徴はバリウム斑,陥凹辺縁の平滑な隆起,粘膜ヒダ集中であった.バリウム斑はやや円形で濃い傾向があった.sm-massive癌は陥凹型でsmに多く浸潤すると腫瘍自体の厚さで陥凹が隆起するので,バリウム斑はなくなり平滑な辺縁と二重の輪郭を形成する.sm-massive癌を示唆するX線所見が二つ以上あった場合にはsm癌と診断できる.