日本大腸肛門病学会雑誌
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経仙骨的直腸切除術を施行した直腸原発Gastrointestinal Stromal Tumorの1例
佐々木 幸則
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2003 年 56 巻 3 号 p. 118-122

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抄録

直腸原発のGastrointestinal Stromal Tumor(以下,GISTと略記)を経験したので報告する.症例は53歳女性.平成12年12月より下血が有り,13年1月4日当院外科を初診.直腸指診では弾性硬の腫瘤を触知した.大腸内視鏡所見は,中心に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍の肉眼的所見であり,生検所見で筋原性の腫瘍が示唆されたが,悪性像は不明であった.経仙骨的直腸切除術を施行し,病理組織検査の結果は直腸原発のGISTの診断であった.免疫染色による検討を行い,c-kit・CD34陽性の狭義のGIST,uncommitted typeの診断であった.術後経過は順調であり,局所再発,遠隔転移は認めず健在中である.直腸原発GISTは比較的稀で本邦では本症例を含めて13例の報告があるのみで,今後の症例の集積と共に免疫組織学的所見が悪性度・予後を反映するかが課題と考えられた.

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