日本大腸肛門病学会雑誌
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肛門〓痒症に対するステロイド外用剤漸減療法の試み
佐々木 みのり佐々木 巖増田 芳夫
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2005 年 58 巻 6 号 p. 303-311

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抄録

肛門〓痒症は皮膚科学的には次のように定義される.「肛囲に皮疹がなく〓痒感があるもの. ただし, 掻破により二次的な続発疹をみる, 明らかな原疾患が存在するものはこれに含まれない」.肛門〓痒症は引き金となる〓痒感に対し患者自身が掻破することによって〓痒感の悪化と続発疹の発生をみるので, 〓痒を強力に抑えるステロイド外用治療と掻破を防ぐ生活指導の併用が適切な治療方針と考えられた. ステロイド外用剤はリバウンドと長期連用による副作用が問題になるが, 我々は使用するステロイドの量を3週間にわたって漸減する方法を試みたところ副作用を効果的に避けることが可能であった. 2003年1月から12月までの1年間に肛門〓痒症の診断で治療した追跡可能な94例中全例 (100%) で症状の改善を確認, 17例で再発を認めたが同様の治療で軽快した. 副作用は認めなかった. 本法は肛門〓痒症の有効な治療法であると考えられた.

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