日本冠疾患学会雑誌
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症例報告
冠動脈バイパス術後15年に発見された巨大な大伏在静脈グラフト瘤の1手術例
鈴木 龍介平山 亮坂口 健上木原 健太毛利 雅治吉岡 祐希宮本 智也松川 舞中島 昌道長峯 理子
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2016 年 23 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

今回われわれは,15年前に使用した静脈グラフトの瘤化により再バイパス術を施行し,良好な結果を得た症例を経験したので報告する.57歳の女性,他院で右冠動脈に大伏在静脈を用いた計4本の冠動脈バイパス術を施行しており,今回,偶然に胸部レントゲン写真で異常陰影を指摘されて精査を行い,大伏在静脈瘤と診断した.術前の検査で,グラフトは小伏在静脈のみ使用可能であった.オフポンプで右冠動脈にバイパスを作成し,瘤化したグラフトは切除した.術後経過は問題なく退院となった.組織所見は動脈硬化性変化を認め,全身性エリテマトーデスによるステロイドの長期内服と慢性透析,喫煙などのリスクファクターが原因と考えられた.

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© 2016 日本冠疾患学会
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