日本冠疾患学会雑誌
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病態に即した巨大冠動脈瘤の治療戦略
小池 裕之井口 篤志中嶋 博之上部 一彦朝倉 利久森田 耕三神戸 将髙橋  研池田 昌弘岡田 至弘髙澤 晃利新浪 博
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論文ID: 19.491

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抄録
巨大冠動脈瘤の病態に即した外科治療戦略について文献的考察を加えて検討し,3症例の経過を報告する.(症例1)53歳,男性:急性心筋梗塞を発症し,緊急経皮的冠動脈形成術を施行した.多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)で26×27 mmの右冠動脈瘤を認め,オフポンプでバイパス術を実施し,右冠動脈瘤を結紮,切除した.(症例2)71歳,女性:心雑音を指摘されMDCTにより,左前下行枝近傍に冠動脈瘻を伴う巨大冠動脈瘤と診断された.人工心肺下に,冠動脈瘻を処理し,冠動脈瘤を結紮,切離した.(症例3)60歳,男性: MDCTで冠動脈瘻は,回旋枝起部から最大短径7 cmを超える冠動脈瘤を形成し,冠静脈洞に流入していた.人工心肺下,心停止下に回旋枝を結紮し,冠動脈瘻の入口部を結紮して,冠動脈瘤を切除し,後側壁枝にバイパスした.術後は心室頻拍症の治療に難渋したが,その後ほぼ術前の状態に戻って退院した.
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© 2013 日本冠疾患学会
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