抄録
SUS304L, SUS316LおよびSUS304ステンレス鋼の塩化物応力腐食割れ (ESCC) 特性を333Kから353Kの温度範囲, 相対湿度35%の条件下で, 海塩粒子を模擬した人工海水を付着させて検討した. 304Lステンレス鋼に対しては, 応力と破断時間の関係をσ(MPa)=-A log(tf[h])+B の形で定式化した. ここでA=23.7T-7020, B=43.7T-11600 (T : 絶対温度) である. 負荷応力が0.2%耐力の0.25倍の場合, 試験片表面に微視的な割れさえ認められず, これらのステンレス鋼に対するESCCのしきい応力は耐力の0.25倍より大きいことがわかった. また孔食による応力集中を考慮すれば, この値はさらに大きくなるものと推定される. さらに統計的な解析結果によればESCCクラック長さおよびクラック深さは, 二重指数分布に従うことが示唆された.