Zairyo-to-Kankyo
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最新号
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展望
腐食センター解説コーナー
  • 青木 聡, 酒井 潤一
    2024 年 73 巻 3 号 p. 49-53
    発行日: 2024/03/10
    公開日: 2024/04/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,二相ステンレス鋼の開発の歴史を簡単に振り返るとともに現在JISに規格化され工業的に使用されている鋼種を整理する.また,二相ステンレス鋼の化学組成と相平衡・相変態について基本的なデータを示しつつ述べる.材料の性質については,物理的性質ならびに機械的性質に触れるとともに,特に耐全面腐食性,および孔食,すき間腐食,あるいは応力腐食割れといった耐局部腐食性について既報のデータを引用しつつ概説する.最後に,二相ステンレス鋼の主な使用環境および使用実績について言及する.

論文 -材料と環境2023講演大会論文-
  • 橋本 薫, 安田 恭野, 三浦 進一, 塩谷 和彦, 赤井 隆文
    2024 年 73 巻 3 号 p. 57-60
    発行日: 2024/03/10
    公開日: 2024/04/20
    ジャーナル フリー

    液体アンモニアタンクに適用した表層軟質クラッド鋼板の長期の耐液体アンモニアSCC性を把握することを目的に,開放検査結果を解析した結果,以下のことが判明した.

    ①29年使用したTS610 MPa級表層軟質クラッド鋼板適用タンク2基のうち,1基には割れの発生がなく,もう1基も累積6件の割れの発生に留まった.割れ発生件数は,従来のTS610 MPa級鋼板に対して顕著に少なく,表層軟質クラッド鋼板の長期の耐液体アンモニアSCC性能を確認できた.

    ②表層軟質クラッド鋼板に発生した割れ箇所は溶接部(ノズル溶接部,治具溶接跡,突合せ溶接部)のみに限られ,この現象は液体アンモニアタンクへの適用・運用実績があるSLA325と同様であった.

  • 箕浦 歩夢, 熊谷 昌信, 八代 仁, 太田 裕樹
    2024 年 73 巻 3 号 p. 61-65
    発行日: 2024/03/10
    公開日: 2024/04/20
    ジャーナル フリー

    白金(Pt)めっき厚さ(0,0.1,0.2,0.5μm)の異なるTi繊維体について,PEMWE用PTLとしての各種特性(機械特性,耐食性,接触抵抗,初期i-V特性)を評価した.セパレータ/PTLのセル内での締付け状況を模擬した機械特性評価の結果から,Ti繊維体の厚さ方向の寸法安定性は,カソード側PTLとして一般に使用されるカーボンペーパーと比較して2倍程度高いことが示された.Ti繊維体をアノード側のPTLとして組み込んだ水電解単セルによる初期i-V特性は,Ptめっきにより改善され,Ptめっき厚さが0.2μm以上でその効果は顕著であった.PEMWE模擬環境中において定電位分極した時の酸素発生電流の測定と接触抵抗の測定結果から,i-V特性の改善は,セパレータとの接触抵抗の低下だけでなく,Ptめっき上で酸素発生が起こることによる,電解移動抵抗の低下も要因となっていることが示唆された.

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