2008 年 57 巻 3 号 p. 118-121
化学プラントでは,いろいろな物質を取り扱うためいろいろな種類の腐食損傷が存在している.特に流れに起因した損傷については,古くから報告されている.しかし運転条件が複雑なため,原因が明確にならないままいわゆるエロージョン・コロージョンとして分類されて来た.したがって防食対策の検討も充分にされてこなかった.そこで化学プラントで発生したいわゆるエロージョン・コロージョンのトラブル事例を紹介するとともに,新たなる視点で損傷問題を解析してみた.その結果,当初の予測と異なることが多いことが分かった.また流れに起因した損傷は,材料表面状態の評価と運転条件を検討することが重要である.その解析から化学プラントが抱えている流れに起因した損傷への取り組みを報告する.