Incubation Time of Stress Corrosion Cracking for Type 316L and Type 316 Stainless Steels by CBB Method in High Temperature Water

抄録

316Lおよび316ステンレス鋼（SS）の受入材に関して，高温水中における応力腐食割れ（SCC）の潜伏期間を隙間つき曲げ（CBB）試験法により検討した．316L SSでは1000時間，316 SSでは500時間以上の試験時間でSCCが発生し，破面形態は実機と同様，わずかな粒内型SCCを含む粒界型SCCであった．試験片表面での最大クラック長さ［a］は試験時間［t］の対数に比例して増加し，以下の相関式が得られた．
a＝700×ln(t)-4334 : type 316L SS,
a＝1078×ln(t)-6347 : type 316 SS.
上記関係式から316Lおよび316 SSのSCC潜伏期間として，それぞれ490時間および360時間が得られた．この潜伏期間は鋭敏化304ステンレス鋼のそれより3倍以上大きく，溶体化ステンレス鋼のSCC抵抗性が高いことを示している．