材料と環境
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論文
Corrosion Behavior of AZ31 Magnesium Alloy in Dilute Sodium Chloride Solutions
Lei WangTadashi ShinoharaBo-Ping Zhang
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2009 年 58 巻 3 号 p. 105-110

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抄録
希薄NaCl溶液中でのAZ31マグネシウム合金の腐食挙動を,電気化学的手法を用いて調べた.また,その表面の化学的特性をX線回折(XRD)によって調べた.電極電位と塩化物イオン濃度([Cl])に関する腐食マップを,電気化学的測定結果を基に作成し,これを使って,不動態域と腐食域が決定された.不動態域は[Cl]が増加するほど狭くなることがわかった.非脱気NaCl水溶液中での開回路電位(Eocp)は[Cl]<0.2 Mの場合には不動態域にあり,[Cl]≧0.2 Mの場合には腐食域にあった.非脱気NaCl水溶液中では,溶存酸素と水の還元反応がカソード反応として働いた.XRD解析によると,不動態域での皮膜は塩基性炭酸塩およびMgOの混合物からなっているのに対し,腐食域ではMg(OH)2, MgOおよび塩基性炭酸塩の混合物からなっていることがわかった.
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© 2009 Japan Society of Corrosion Engineering
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