硝酸処理や硝酸+クロム酸塩溶液はステンレス鋼の不動態化処理に有効であることが知られている.しかしながら廃液からの窒素やCr6+は環境に有害であるため排水規制の対象となっている.本研究では代替処理法を開発することを目的として,酸素と水に分解するH2O2およびO3による不動態化処理法について研究した.不動態化処理電位に及ぼすH2O2およびO3濃度および不動態化処理温度の影響を検討し,不動態化処理後の耐食性を孔食電位測定によって評価した結果,SUS304およびSUS430ステンレス鋼の耐食性向上条件が見いだされた.