材料と環境
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解説
エネルギー関連機器材料の材質設計に基づく耐食性の向上
―メタルダスティング及び水素環境脆化―
工藤 赳夫
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2011 年 60 巻 2 号 p. 53-59

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抄録
エネルギー関連機器材料の材質設計に基づく耐食性の向上について二例紹介した.COを含有するガス雰囲気でしばしば生じるメタルダスティングはGTLプロセス装置材料にとって重要な腐食問題である.その防止には,COガスを遮断する,保護性の高い酸化皮膜を生成するために,Ni基合金中のCr量を高めることが必要であるが,それに加えて,Cu添加が極めて有効である.添加したCuは合金表面に偏析し,吸着CO分子の解離を抑制,その結果,酸化皮膜の欠陥部でのC侵入を抑制するためである.
高圧水素は燃料電池用水素の貯蔵・輸送にとって有効な媒体であるが,高圧水素はさまざまな材料に水素環境脆化を生じさせる.300番台のオーステナイト系ステンレス鋼の水素環境脆化感受性はクラック先端での加工誘起マルテンサイト変態の程度に大きく依存する.それ故,高い抵抗性はその変態を最小化する合金設計によって得ることができる.
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© 2011 公益社団法人 腐食防食学会
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