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解説特集
腐食研究のための表面分析技術の現状と今後
大塚 俊明
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2015 年 64 巻 7 号 p. 268-272

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抄録

腐食研究のための表面分析技術の現在の状況を要約した.腐食反応で生成した腐食生成物の測定には,in-situ(その場)測定が望まれる.光,つまりガンマ線から赤外光まで電磁波を使う測定では,工夫が必要であるが,in-situ測定がなされてきている.電磁波の性質により,窓材の選択や窓材の試料表面との距離などの調整が必要である.X線光電子分光(XPS)やオージェ電子分光(AES)などの電子分光法では,in-situ測定はできないが,元素分析,元素の状態分析,微少部分析などの特徴があるので,有用である.将来的には,表面増強ラマン散乱(SERS)と走査型プローブ顕微鏡(SPM)を結び付けたチップ増強ラマン散乱(TERS)の使用が腐食反応のin-situ測定に利用できる可能性がある.

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© 2015 公益社団法人 腐食防食学会
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