材料と環境
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論文
11Cr系ステンレス鋼の不働態化挙動に及ぼすAl及びSiの影響
安部 雅俊河野 明訓松橋 透平出 信彦濱田 純一長岡 彬干場 英里藤村 諒大伏見 公志
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2025 年 74 巻 8 号 p. 155-164

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抄録

Fe-11 mass%Crへ2 mass%分のAlあるいはSiを添加すると,硫酸イオンあるいは塩化物イオン環境における活性態/不働態遷移域の電流密度が減少し,不働態化pHも低下した.AlあるいはSiは酸化皮膜中に母材組成より高い濃度で存在した.両添加鋼が耐食性に優れる理由について,酸化により生じるAl(III)はFe(II)及びCr(III)よりも低pHで水酸化物を,Siは酸化物をそれぞれ生成することで,特に低Crステンレス鋼の不働態化を促進するためと説明した.

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© 公益社団法人 腐食防食学会
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