Zairyo-to-Kankyo
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水道水中における鋼の犠牲アノード方式によるカソード防食
宮田 義一朝倉 祝治松川 安樹宮下 守須藤 俊彦
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2005 年 54 巻 10 号 p. 488-493

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抄録

淡水中の鋼を対象としたカソード防食が, 近年試みられている. 本研究では現実に近い環境において, カソード防食が適用できる条件について検討した. 鋼に異なる面積の亜鉛を短絡して, 25℃のつくば市水道水に浸漬した. 試験期間は780時間 (約1ヵ月) である. 鋼の重量減少量, 電位, および鋼と亜鉛の間に流れる電流, すなわち鋼のカソード電流を測定した. 鋼の面積割合γ[γ=鋼の露出面積/(鋼の露出面積+亜鉛の露出面積)] が0.75以下の時, 鋼の腐食を防ぐことができた. この場合, 鋼には0.12A/m2以上のカソード電流が流れており, また電位は貴化しつづけた. 腐食が起こる場合, 電位は-400mV程度で定常に達した. また電位とその変化の傾向を組み合わせて, 防食の効果を判断する基準を提案した.

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© 社団法人腐食防食協会
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