田んぼアートとは,田んぼを巨大なキャンパスと見立てて,その中に色の異なるイネ品種を用いて絵や文字を作り出す作品である.使用される観賞用品種(葉色,穂色の変異種)のイネは,葉や穂が黄,紫,白,赤などに発色し,レイアウトに応じた使い分けがなされる.本報告では,田んぼアートと観賞用イネ品種についての概要および滋賀県長浜市虎姫地区での取り組みの概要と葉色の推移に関する調査結果を述べる.使用された品種の葉色の変化は,色彩色差値,アントシアニン含量(ACI値),クロロフィル量(SPAD値)の観点から評価し,品種間差異や時期別の推移に関する情報を得た.