イネ品種「銀坊主」を背景として感光性遺伝子座
Ghd7 座と
Hd1 座の機能型・機能欠失型の組み合わせが異なることで感光性の強弱が異なる4 系統を供試して,播種期処理2 水準(Ⅰ:普通期播種区(5 月9 日播種)およびⅡ:晩期播種区(6 月20 日播種)),育苗期間2 水準(S:標準育苗区(21 日)およびL:長期育苗区(28 日))の計4 処理条件下で移植栽培を行い,到穂日数,収量,収量構成要素および高位分げつの発生状況について調査した.到穂日数においては,標準育苗区,長期育苗区ともに,晩期播種区において,感光性が強い系統ほど到穂日数が大きくなったが,系統間の到穂日数の差は10 ~ 11 日程度と小さく,最も出穂の遅れた強感光性系統においても出穂日は9 月2 日と推定される出穂晩限日である9 月7 日より早く出穂したことから,感光性の強い系統でも西南暖地地域の6 月下旬播種といった晩期移植栽培において,十分に利用可能であることが示された.収量においては,標準育苗区,長期育苗区ともに,晩期播種区において,
Hd1 座の機能型アレルを持つ感光性の強い系統で収量が大きな傾向が見られた.この要因は,
Hd1 座の機能型アレルを持つ強感光性系統の登熟歩合が高かったためであると考えられた.一方,
Ghd7 座の機能型アレルは収量に影響を及ぼさなかった.また,標準育苗区と比べ,長期育苗区において収量が減少する傾向が見られた.高位分げつの発生は,長期育苗区で多い傾向が認められ,感光性の発現が高位分げつの発生を抑制することが示唆された.これらのことから,西南暖地地域での畑作中心の作型における水稲晩期栽培には
Hd1座に機能型アレルを持つ感光性の強い系統が適していると考えられた.
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