作物研究
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論文
インディカ品種ハバタキの染色体6断片は低リン耐性を向上する
小梶 裕之 清水 顕史
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 67 巻 p. 1-6

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抄録
リンはイネにとって必要不可欠な栄養素の一つである.本研究では,コシヒカリを背景親としてハバタキ染色体断片を導入した染色体断片置換系統群の低リン耐性を低リン水耕条件下で評価し,第6染色体にハバタキ断片を持つOHA15を見出した.その後,ジャポニカ品種みずかがみとOHA15を交配したF2集団を用いたQTL解析において,分げつ数,最大根長,シュート新鮮重に関与するQTLsをそれぞれ第6染色体のSSRマーカーであるRM6836近傍で検出した.ファインマッピングにおいて,これらQTLsが密接に連鎖していることを明らかにした。これらの結果より,検出したハバタキQTLアレルはコシヒカリだけでなく,みずかがみも低リン耐性を向上したことから,様々な日本品種への低リンに対する適応のための育種に貢献すると考えられる.
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© 2022 近畿作物・育種研究会
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