作物研究
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論文
土壌微生物叢活性剤の利用による野菜リゾクトニア病の予防
竹生 敏幸許 冲谷坂 隆俊
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 67 巻 p. 27-34

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抄録
低投入持続型農業(low input sustainable agriculture; LISA)を推進するためには,病虫害抵抗性品種や高栄養素吸収能品種の開発に加えて,土壌微生物の力を借りた健康な土壌づくりが不可欠である.著者らは前報(竹生ら 2022)で,“Takeo-Tanisaka液”(TT液)が,土壌微生物叢を多様化,活性化して土壌中に大量の栄養素を生み出し,そこに生育する葉菜類の成長を著しく旺盛にすることを示した.本研究では,ホウレンソウとニンジンの成長に及ぼすTT液の効果を検証するなかで,TT液の投入が,それら野菜の成長を促進する効果のほか,高温多湿時に多発する土壌伝染性病害“リゾクトニア病”の発生を抑制する効果を有することを明らかにした.これらの結果は,TT液がLISAの推進に有効なツールとなる可能性のあることを示している.
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© 2022 近畿作物・育種研究会
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