抄録
本格的な国際化社会を迎えた今日,学習者側からも指導者側からも実用英語教育,すなわちコミュニケーションとしての英語教育に対する期待と関心が高まっている。本報告においては,このような社会の二ーズに適合した大学教示課程における英語教育のあり方として,商業英語を教材とした英作文指導と新聞英語を教材とした購読指導とを検討した。前者については,将来の国際人たるにふさわしい実務能力の早期涵養という見地から,後者については,即応力に富んだコミュニケーション能力の開発という見地から,それぞれ理想的な実用英語教材であると考え,別個に指導上の留意点を考察した。さらに,双方の教材を併用・統合して立体的な実用英語教育を行うことにより,相乗的な学習効果を高められることが示唆された。