日本教科教育学会誌
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子どもの社会認識発達とその形成に関する実験・実証的研究 : 小学校社会科単元「地域の商店や商店街」を事例として
加藤 寿朗
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2005 年 27 巻 4 号 p. 1-10

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抄録
本研究は,子どもの社会認識形成に関する実験授業を通して,社会認識形成過程の仕組みやその条件,認識発達を促進する教育的働きかけについて検討することを目的とする。子どもの社会認識発達の特徴として,1)小学校4,5年生頃を移行期として,それまで個別的・断片的に捉えられていた見方が,より本質的な視点を核としてまとめられながら発達すること,2)視点取得経験によって子どもの社会認識は促進されること,が予想される。そこで,経済的事象に関する子どもの社会認識が,視点取得経験による立地概念の獲得によって促進されるかどうかを明らかにするための実験授業を実施した。小学校3年,4年,5年生を対象として授業を行ったところ,4年と5年で学習効果が見出された。小学校4,5年生頃は,特徴的な視点を中核としながら,あるまとまりとして情報を統合する授業展開が適した時期であるとともに,視点取得経験が効果的な学習活動であることが明らかになった。
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© 2005 日本教科教育学会
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