日本教科教育学会誌
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空気の膨張に関する「考えの対立」を取り入れた事例研究 : 小学校第4学年「空気とかさ」の事例を通して
加藤 尚裕
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2007 年 30 巻 1 号 p. 19-28

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抄録
本研究では,小学校第4学年の「空気の膨張」に関する学習において,メタ認知ツールとして「考えの対立」を用いた実践を試み,子どもの素朴概念やメク認知的モニタリングに及ぼす影響を検討した。その結果,(1)子どもの素朴概念を意識させる場面での「考えの対立」の使用は,空気の膨張に関して誤った考えをもっている多くの子どもに概念的葛藤を生起させる可能性がある。(2)科学概念を支持する演示実験後の「考えの対立」の使用は,空気の膨張に関して誤った考えをもっている多くの子どもに自らの考えを修正させる。(4)実験を行う前での「考えの対立」の使用は,実験活動で多くの子どもに空気の膨張に関するモニタリングを行わせる。以上の3点が示唆された。
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© 2007 日本教科教育学会
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