抄録
本研究では,生徒の観察・実験活動におけるメタ認知の評価を継時的に行うために,IRTを用いたメタ認知尺度の構成を行い,その有効性について検討することを目的とした。このため,項目プールを拡充するために新たな項目の検討を行い,合計29項目からなる質問紙を項目反応理論(IRT)によって分析した。そして,推定した項目母数に基づいて2つの水平テストを構成するとともに,メタ認知の育成を志向した授業実践の前後において試験的な評価を行った。被験者のメタ認知の変容について,刺激再生質問紙による評価と水平テストによる評価を比較した結果,両者は同様の傾向を示したため,作成した2つの水平テストはメタ認知を適切に測定できていると判断した。