抄録
本研究では,中学校における睡眠学習教材を開発するとともに,その教材を用いて保健体育科で実践を行い,教材の有効陛について検討することを目的とした。睡眠学習教材を開発するにあたっては,睡眠教育ハンドブックを作成した。ハンドブックの内容に対する充実度,斬新度,説明度,難易度に加え,ハンドブックの刊行に対する重要度,期待度,活用度,需要度の8項目において,睡眠指導士および健康教育に携わる教職員からかなり高い評価が得られた。また,睡眠学習プログラムを作成し,その実践化を試みたところ,学習者評価における授業の満足度,内容の理解度,教具の適切度,今後の活用度ではいずれも高い評価が得られた。授業者および授業観察者の評価では,教材の説明の仕方や授業の構成に多少の改善の余地があるものの,総じて睡眠学習における指導目標を概ね達成できると評価された。これらのことから,本研究によって開発された睡眠学習教材は,中学校保健体育科の睡眠学習において有効であると考えられる。
