日本教科教育学会誌
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小学校理科授業における「知識-過程」の視点から行う複数の目標設定は児童の自律的な学びを促進するか
中嶋 亮太川崎 弘作
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2021 年 44 巻 3 号 p. 1-13

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抄録

本研究の目的は,理科授業において「知識-過程」の視点から行う複数の目標設定を取り入れた自律的な学びを促進するための学習指導法を考案し,その効果を検証することである。このため,理科授業において,知識に関する目標と併せて,知識を獲得する過程に関する目標を 設定させるために,児童の自己評価に基づいた目標設定を促す学習指導法を考案した。加えて,考案した学習指導法の効果の検証を行うため,自律的な学びに影響を与える「動機づけ信念」 を測定する質問紙を作成した。そして,考案した学習指導法を基に,小学校第4学年を対象に 2019年9月と11月にそれぞれ授業実践を行った。その結果,本研究で考案した学習指導法は,自律的な学びに関わる感情の喚起には有効な事例といえる結果が得られた一方で,自律的な学 びの促進に有効であったといえる結果は得られなかった。

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