日本教科教育学会誌
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原著
英語ライティングにおける正確さ向上に向けた筆記訂正フィードバックに対する好みと認識に関する調査研究 ~日本人中高生と中高教師の比較~
青山 聡
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2023 年 46 巻 3 号 p. 1-11

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抄録

 本論の目的は,日本人中高生英語学習者と中高英語教師の筆記訂正フィードバックに対する好みと認識を明らかにし,学習者と教師間の認識の相違点を明らかにすることである。中高生645名を対象としたアンケート調査の結果,1)語彙よりも文法に対する訂正を好むこと,2)一部ではなく全ての誤りに対する訂正を好むこと,3)一部の誤りを訂正する場合は意味の伝達に支障をきたす誤りに対する訂正を最も好むこと,4)中学生は最初から正しい形式を求めるが,高校生はまずは文法説明や例文をもとに自己訂正を試みたいと思い,またそうすることが最も正確さの向上を導くと認識していること,5)教師,友人,機械による訂正を重要であると認識していること等が明らかになった。中高英語教師27名の回答と比較したところ,学習者は全ての誤りに対する訂正を好むが,教師は一部の誤りに絞って訂正を与えるべきだと認識している等の相違点が示唆された。

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