日本教科教育学会誌
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外国語教育と自己実現 : A.マズローの欲求階層説を中心にして
縫部 義憲
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1982 年 7 巻 3 号 p. 129-137

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抄録
外国語教育の目標は,言語を通して運用能力(communicative competence)の獲得(言語面の目標)と自己実現(情意面の目標)である。自己実現は,「人間力学」(Human Dynamics)と「価値の明確化」(Values Clarification)に分類できる。人間力学が包括する領域は,基本的にはA.マズローの基本的欲求階層説で言う生理的,安全,所属と愛,承認の4欲求であり,価値の獲得が自己実現の欲求に該当すると思われる。前者は欠損欲求と呼ばれ,後者は成長欲求と呼ばれている。本論文では,欠損欲求の充足と外国語教育の関連性を追求する中で,外国語教育の本質論に触れることが目的である。それは,人間の「あたま」と「こころ」と「からだ」の3機能の調和的発達である。
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© 1982 日本教科教育学会
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