抄録
本研究の目的は,体育授業における教授行動研究の方法論的検討にある。人間の諸行動は時空間的要因および自身の内的要因に規定される。特に教授行動は,対人行動に分類され,またOpen-Skillとしてその訓練の可能性も検討されてきた。Microteachingもその手法の1つであるが,その評価やプログラムの有効性については実証されているとはいいがたい。従って,以下に示すような研究方略が考えられる。1)体育科における従来の教授-学習過程のモデルは時間的要因を無視している傾向がある。そこで図1に示すような仮説的時空間的単純化モデルを構成した。2)教授行動に関連する諸変数間の相互作用の単位決定とその数量化法の開発ならびにモデルとの適合性を検討する。3)1),2)の検討に基づくマイクロティーチンクの実施計画と,変数統制の比較実験の反復による実施計画の最適化が指向されるべきである。