日本教科教育学会誌
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家庭科教育における家族計画の教材化に関する研究(I) : 現状の把握と教材化の構想
福田 公子菊沢 康子中村 一枝
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1982 年 7 巻 3 号 p. 161-168

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抄録
家族計画は,単なる産児制限運動ではなく,出産の計画性,婦人と子どもの人権の尊重,社会の人口問題に対する個人の責任の自覚という今日的課題を広汎に包含する重要な概念である。個人の幸福な生活と人類の平和共存を同時にかつ主体的に追求する意味と方法を認識する教育として,家族計画を学校教育の中で教材化する必要がある。現行の教科書を分析した結果,主として高校の保健体育科で健康的側面から取り上げられているにすぎない。社会的側面を強調し,実際の家庭生活で実現する意味からも,家族計画は家庭科にて,より具体的にかつ構造的に教材化する必要がある。家族計画を典型教材として開発することにより,個人の自由と社会的責任を目ざしつつ,家庭科教育の目標を達成することを目的とする。本報は,教材化過程の第1ステップであり,今後さらに青年期の男女について家族計画に関する認識を把握したうえで,教材化を進めていきたい。
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© 1982 日本教科教育学会
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