1982 年 7 巻 4 号 p. 197-204
合科のカリキュラムの実践的試案を作成するための基礎的な研究として,日本における過去,現在の合科の実践研究のカリキュラムを調査し,それらを類型的に分類し,それぞれの類型の長所と短所とを調べた。本論文では,類型的分類のために大野連太郎の合科的指導研究に関する分類方式を一部改変し,合科のカリキュラムの類型化のための五つの基準を作った。すなわち,これらの五類型を教科の融合度の低い順に並べると,(1)分科学習型,(2)合科的指導型,(3)合科による指導型,(4)合科学習型(総合学習型),(5)生活型である。上記の基準にそって,選定した18の合科の実践校のカリキュラムを分類したところ多少の無理はあったが五類型のうちのいずれかにあてはめ図式化することができた。この分類により多様な合科のカリキュラムの特色が整理され,それらの長所と短所との比較が容易になり,今日的な試案作成のためのいくつかの示唆が得られた。