抄録
学習者がある単元(数学)を学習していくにつれて,学習者の当該単元のキーワード(概念)から得られる認知構造が変容していくことが予想される。これを数値化する目的で,主としてアメリカの先行研究をもとにして,I式WAテストとその得点法を考え,それによるデータを蓄積してきた。学習者の学力の諸因子とI式WAテストの相関について,前回は,推理能力因子のみ相関する結果だった。しかし,このときの学力テスト問題に偏よりがあったので,今回はさらにこの点を修正した。今回の研究では大学生水準で,学力のうち,記憶,計算,推理の諸能力がI式WAテストの得点と相関する結果を得た。