日本教科教育学会誌
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音楽科の学習過程についての一考察 : 美的認識過程を中心に
西園 芳信
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1985 年 9 巻 4 号 p. 171-178

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抄録

この小論では次のような内容について考察した。(1)学習過程は認識論によって導かれ,認識観の違いによって学習過程の性格も決ってくる。そこで代表的な学習過程論(系統学習・問題解決学習・プロジェクト法・発見学習)を取り上げ,これらの相違を明らかにした。(2)上記学習過程論は音楽科に適用されると実際はどうなるのか。実例を分析しその特徴を明らかにした。系統学習-音楽美と学習者の認識を一致させる方法。問題解決学習・プロジェクト法-学習者が音楽の世界に直接働きかけ帰納法的に美を把握する方法。発見学習-学習者に問題意識を持たせながらも先生主導で学習者の認識を音楽美に近づける方法。(3)学習過程は目標観に適した方法がとられねばならない。そこで,目標観と学習過程との関連を考察し,これからの音楽科に求められる学習過程を展望した。

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© 1985 日本教科教育学会
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