スズユタカと高イソフラボンダイズ系統の東北126号を用いて, 播種期および登熟期の環境条件が収量および子実中のイソフラボン含量にどのような影響を及ぼすかを検討した. 東北126号は, 播種期や栽培地の差異にかかわらずスズユタカよりも多収であり, さらに子実中のイソフラボン含量も顕著に多かった. 両品種とも晩播ダイズは, 標播ダイズより収量は低かったがイソフラボン含量は顕著に多かった. また, 登熟期, 特に後半の平均気温が低いほどイソフラボン含量が多い傾向が認められた. 開花期後30日を境に登熟前半と後半を分けて気温が異なる場所でポット栽培した場合, 登熟期後半に気温が低い条件で栽培したスズユタカは, 同じ条件で栽培した東北126号並にイソフラボン含量が高まり, 特に登熟後半の気温とイソフラボン含量との関係が密接であることから, ダイズのイソフラボン含量は品種の他に登熟期, 特に後半の気温の影響を強く受けることが示唆された.