抄録
サツマイモ栽培において,4月挿苗の透明ポリマルチ栽培,5月挿苗の黒ポリマルチ栽培および6月挿苗の無マルチ栽培の三つの作型がネコブセンチュウ害に及ぼす影響を比較したところ,遅い時期の作型では挿苗時の線虫密度および線虫害が減少した.次に線虫密度条件が同一である同一作期でマルチの種類が線虫害に及ぼす影響を検討したところ,透明ポリマルチ栽培および黒ポリマルチ栽培に比べ,地温が低い白黒ダブルポリマルチ栽培や無マルチ栽培で線虫害が軽減され,線虫害の発生に地温が影響していることが示唆された.またダイコンの作期はダイコンの線虫害に影響を及ぼすが,ダイコン-サツマイモ体系におけるダイコン栽培の有無・作期は,後作サツマイモ栽培前の線虫密度およびサツマイモの線虫害にはほとんど影響しないことが示された.