抄録
北海道の水稲乾田直播栽培において,窒素追肥と茎葉処理除草剤の散布にともなう落水の有無と時期の影響について検討した.2010 年から2012 年にかけて,札幌市内の水田圃場 (土壌型:黒ボク土) で,北海道の代表的直播向け品種「ほしまる」を栽培した.窒素追肥はイネ1.5-2.0 葉期から幼穂形成期にかけて,約1週間おきに施用した.2010 年と2012 年には,ノビエ5.0-6.0 葉期 (イネ6.0 葉期) ごろに落水し,茎葉散布除草剤を散布した.落水を行った圃場では,その直前 (落水1~2 日前) に窒素追肥を行っても,その施肥効果 (精玄米収量と穂数の増加) は他の処理時期よりも低い傾向にあり,幼穂形成期頃の窒素追肥が最も施肥効果が高い傾向にあった.落水を行わない場合には,幼穂形成期直前 (約1 週間前頃) の追肥の施肥効果が高い傾向にあった.