日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
東北地域の飼料用水稲品種における温湯消毒および低温浸種が種子の 発芽率に及ぼす影響
福嶌 陽太田 久稔梶 亮太津田 直人
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2015 年 84 巻 4 号 p. 439-444

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抄録

東北地域の飼料用水稲品種においては,育苗の際に種子の発芽・出芽が不良となることが問題となっている.その原因を解明することを目的として,飼料用を含む20の水稲品種・系統を用いて,温湯消毒および低温浸種が発芽に及ぼす影響を調査した.60℃・30分の長期間の温湯消毒によって,発芽率は低下した.その低下程度は,主食用品種よりも飼料用品種,糯品種,インド型品種で大きかった.東北地域の主な飼料用品種の中では,「べこごのみ」,「べこあおば」,「いわいだわら」,「うしゆたか」,「夢あおば」で発芽率が特に低下した.また,穂発芽状態の種子は,温湯消毒によって発芽率が顕著に低下したことから,穂発芽性が“易”の飼料用品種は,種子が穂発芽状態にあり,温湯消毒によって発芽率が低下する危険性があると推察された.12℃の低温および5℃の極低温の浸種試験においては,東北地域の主要な飼料用品種の中で「べこごのみ」,「べこあおば」,「いわいだわら」が5℃の極低温によって発芽率が低下した.以上の結果から,東北地域の飼料用水稲品種の一部においては,長時間の温湯消毒や極低温の浸種によって,発芽率が低下する危険性があると推察された.

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© 2015 日本作物学会
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