東北地域において近年育成された中生で耐倒伏性に優れるダイズ品種あきみやびを秋田県大仙市と岩手県盛岡市において栽植密度を26.9 本/m2の一定とし,条間を24 cm,36 cm,48 cm,株間をそれぞれ15.6 cm,10.4 cm,7.8 cmとした試験区(以下,24 cm区,36 cm区,48 cm区)を設け,一本立てとして晩播狭畦密植栽培し,栽植様式の違いが群落遮蔽程度,生育,収量,品質に及ぼす影響について調査した.両試験地とも48 cm区で群落遮蔽程度が劣り,特に畦間の遮蔽程度が劣る傾向がみられた.開花期において,両試験地とも24 cm区は主茎節数が多かったのに対して,48 cm区は分枝数が少なく,LAIが低い傾向がみられた.成熟期では,24 cm区は48 cm区に比べ,主茎長が長く,主茎節数も多い傾向がみられた.また,24 cm区,36 cm区は48 cm区よりも,成熟期の地上部乾物重が重く,24 cm区では稔実莢数も多く,収量性も優れていた.また,収量は稔実莢数,百粒重,成熟期の地上部乾物重と密接に関係していた.粗タンパク質含有率,外観品質,大粒比率に関して,両試験地とも有意な試験区間差は認められなかった.以上のことから,あきみやびを東北地域において晩播狭畦密植栽培する場合,条間を48 cmにすると群落の遮蔽程度や生育,収量性が劣ることから,条間は24 cmから36 cmとして株間を調整することで,群落は早期に遮蔽され,生育量と莢数が確保され,高収量が得られることが明らかとなった.