京都府の丹波黒ダイズ系エダマメ品種「紫ずきん3号」について,発芽率が高い種子が多く得られる作型の開発を試みた.播種期が遅いほど精子実重が少ないものの,裂皮粒の減少によって,粗子実に対する精子実重歩留まりが向上し,発芽率は高かった.本研究の結果から,京都府内においては7月5~10日以降が安定して高い発芽率が得られる播種期と考えられた.栽植密度が3.1~6.3株 m–2の範囲では,密植にするほど多収となった.加えて,表面が白色で裏面が黒色の白黒ダブルマルチを敷設すると,精子実百粒重が増加し,さらに収量が増した.これには,土壌水分の保持が影響したものと考えられた.一方,発芽率や収量に対する登熟期間中のCaや尿素の葉面散布処理の効果は,本研究の範囲においては明確ではなかった.