日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
京都府の丹波黒ダイズ系エダマメ「紫ずきん3号」の種子生産に適する作型開発
杉本 充辻 康介森 大輔蘆田 哲也岩川 秀行安川 博之
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2020 年 89 巻 3 号 p. 224-235

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抄録

京都府の丹波黒ダイズ系エダマメ品種「紫ずきん3号」について,発芽率が高い種子が多く得られる作型の開発を試みた.播種期が遅いほど精子実重が少ないものの,裂皮粒の減少によって,粗子実に対する精子実重歩留まりが向上し,発芽率は高かった.本研究の結果から,京都府内においては7月5~10日以降が安定して高い発芽率が得られる播種期と考えられた.栽植密度が3.1~6.3株 m–2の範囲では,密植にするほど多収となった.加えて,表面が白色で裏面が黒色の白黒ダブルマルチを敷設すると,精子実百粒重が増加し,さらに収量が増した.これには,土壌水分の保持が影響したものと考えられた.一方,発芽率や収量に対する登熟期間中のCaや尿素の葉面散布処理の効果は,本研究の範囲においては明確ではなかった.

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© 2020 日本作物学会
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