日本作物学会紀事
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研究・技術ノート
コムギ・オオムギの発育調査基準の再整理
松山 宏美島崎 由美福嶌 陽渡邊 和洋
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2022 年 91 巻 1 号 p. 76-87

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抄録

わが国のコムギ・オオムギの発育調査基準は50年以上前に整理されたが,その後,品種や栽培条件が大きく変化し,また各地で調査基準の若干の相異が見られる.そこで,幼穂の発育を中心に発育調査基準の再整理を試みた.ムギの発育上重要な時期として,出芽期,二重隆起形成期,茎立期,出穂期,開花期,成熟期などを取り上げ,その調査基準を提案した.またこれらの調査基準と,分げつ期,幼穂形成期などの定義があいまいな用語などとの関連,および海外で広く用いられているZadoksの成長スケール(Growth Stage : GS)との関連を整理した.そして,コムギ,オオムギの発育経過の品種や地域による差異を,北海道,東北,北陸,北部関東,および北部九州における圃場試験の事例によって示した.

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© 2022 日本作物学会
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