日本作物学会紀事
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栽培
ビレットプランター植え付けのためのハーベスター採苗における種苗重量当たりの健全芽子数の多少に関与するサトウキビの品種特性
服部 太一朗安達 克樹田村 泰章
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2022 年 91 巻 2 号 p. 111-119

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抄録

ハーベスターで採苗した蔗茎を植え付けるビレットプランターの導入により,植え付け作業の大幅な省力化が期待されているが,採苗時の芽子損傷による発芽率低下が問題となっている.本研究では,ハーベスター採苗時の種苗重量当たり健全芽子数の確保に寄与する品種特性の解明を目的とした.熊毛地域の奨励品種群を人力またはハーベスターで採苗し,芽子の損傷など種苗の状態を調査した結果,品種によらずハーベスター採苗時に5~10%程度の芽子が消失し,また,残存した芽子における損傷程度には品種間で一貫した傾向を認め難かった.他方,ハーベスター採苗後の種苗重量当たり健全芽子数は,細茎あるいは多節の品種で多い傾向にあった.芽子の休眠性が異なる2品種のみを用いた比較試験では,伸長芽子は採苗時に非伸長芽子より損傷しやすく,非伸長芽子の割合が高い「はるのおうぎ」より,芽子が伸長しやすい「NiTn18」の方が採苗後の芽子損傷が多かった.脱葉茎と非脱葉茎の比較では,非脱葉茎で芽子の損傷が少なかった.以上から,細茎,多節,芽子の休眠性の強さ,難脱葉性といった特性が,ハーベスター採苗時の芽子損傷の抑制や健全芽子数の確保に有利に作用し,これらの特性を有する品種はハーベスター採苗への適性に優れると考えられた.

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