日本作物学会紀事
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栽培
水稲品種「ハイブリッドとうごう3号」の減窒素栽培における乾物生産および収量・品質
福嶌 陽
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2026 年 95 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

水稲の減窒素栽培において多収と高品質を同時に達成することを目指して,良食味のハイブリッド品種「ハイブリッドとうごう3号」(以下,とうごう3号),インド型品種「オオナリ」,日本型品種「日本晴」を用いて,2023年は多窒素と減窒素の条件,2024年は減窒素の中の前期型減肥と後期型減肥の条件において,乾物生産と収量・品質を調査した.多窒素条件で多収であった品種は,減窒素条件でも多収であった.出穂20日後,出穂40日後において,全乾物重に品種間差異は認められなかったが,穂重は「オオナリ」,「とうごう3号」が「日本晴」より有意に重かった.粗玄米重は「オオナリ」≧「とうごう3号」>「日本晴」の順であったが,「オオナリ」はくず米が多いため,精玄米重は「とうごう3号」≧「オオナリ」>「日本晴」の順となった.そして,「とうごう3号」は「オオナリ」より整粒歩合が有意に高かった.減窒素条件では,前期型減肥より後期型減肥は,僅かに多収であり,整粒歩合が有意に高かった.以上の結果から,減窒素栽培において多収と高品質を同時に達成するためには,「とうごう3号」が最適であり,後期型減肥が有望であると推察された.

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