日本作物学会紀事
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自動送り機構を備えた, 新しいデジタル型自動葉面積計
村田 吉男林 和夫
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1967 年 36 巻 4 号 p. 463-467

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抄録
自動送り機構を備えた, 新しいデジタル型自動葉面積計を開発した. その原理は次のようなものである. 透明なベルトの上を一定速度で水平に移動しつつある葉を, 単位断面積と一定の深さをもつた微小なスポット光により, 進行方向と直角な一定の面内でベルトの端から端まで, 絶えず走査する. ベルトの下方に透過したその断続光をフォト・トランジスターに受け, 発生するパルス信号により, 別に備えた基準パルス発生, 計数回路の働きをコントロールするようにしておく. すなわち, 走査光が葉によつて遮られているときだけ, 基準パルスを計数, 表示するようにしておけば, 試料が通過し終つたときの計数値から直ちにその葉面積を知ることができる. 試作した装置は, 10cmの測定幅をもち試料の幅さえこの範囲内にあれば形や長さ, 厚さ, 色などに関係なく, 1枚毎の面積も, また全部の積算面積も, きわめ早い速度と高い精度をもつて求めることができる. テストの結果, 外光や電圧の変動, 葉の厚さ, 色, 形などの影響をほとんど受けず, 誤差は測定値の±1.5%以内, 最小測定可能面積は0.0km2であつた. 速度も, 例えば1枚が5~50cm2, 合計140枚, 1,000cm2の材料の測定に5分30秒で足り, 従来の切り抜き重量法等に比較すれば数十倍の速度であると考えられる. 葉面積のほか, 各種不定形面積の測定に, 広い応用面が期待される.
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