日本作物学会紀事
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生育中のジャガイモ塊茎のサイトカイニンについて
岡沢 養三
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1970 年 39 巻 2 号 p. 171-176

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抄録
ジャガイモの肥大生育中の塊茎内のサイトカイニン活性を大豆カルスのバイオアッセイ法により測定し, 塊茎の生育過程におけるサイトカイニンの意義について検討した. 塊茎の形成直後,まだ生重増加の顕著でない時期にサイトカイニン活性の増加がみられた. ペーパークロマトグラフィ(展開剤, n-ブタノール, 酢酸, 水, 12:3:5) によりRf 0.35~0.45, および Rf 0.55~0.65 の2ケ処に活性があり,後者の方が活性が大であった. これらの活性は塊茎の肥大とともに変化し, 生重あたりの活性ほその後減少しほぼ一定値になるが, 塊茎あたりでは徐々に増加を示した. しかしいずれも収穫期に至り顕著な減退を示した. このサイトカイニンほ塊茎の生育にあたり, 細胞の増殖, および塊茎内への澱粉の蓄積などに役立つものと考えられる.
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