抄録
24時間日長下で7~8葉期迄育てた. 感光性品種瑞豊に8時間明期+16時間暗期の花成誘導サイクルを与え, その光周誘導処理中における内生ジベレリンの変化をしらべた. 含水アセトン抽出物の酸性下での酢酸エチル分画を, ぺーパークロマトグラフィによって分離し, 倭性イネの短銀坊生をテスト植物としてバイオアッセイをおこなった. 葉身と茎(葉鞘も含む)とに分けると, 両者共に誘導処理を始めて3日目にジベレリン浪度が1時的に増加したのち, 葉身部においては,処理開始前の約半分に, また茎部では処理前とほぼ同じレベルまで減少した. 水稲において内生ジベレリンが, 花成刺激そのものとして慟いている可能性は少ないが花成に対して間接的な役割を演じていることは考えれる.