抄録
キシュウスズメノヒエは, わが国南部に自生する野草で, 北限は関東北部といわれており, 最近, その生長量の盛んなことと飼料価の高いことなどから水田の飼料作物として注目されるようになつた. 沖縄, 奄美大島, 鹿児島および福岡に自生しているシュウスズメノヒエを材料として, 15, 20, 25, 30および33℃に調節されたガラス室内での生長をRGR, NARおよびRLGRで比較した. その結果, 各系統は, それぞれの採集地の温度に適応した生長を示すことがわかつた. なお, この差異にはNARよりもRLGRが大きく作用していることも明らかになつた.