日本作物学会紀事
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インドネシア稲品種の2,4-Dに対する感受性の差異ならびにそのエチレンとの関係
SUNDARU M.馬場 赳田辺 猛玉井 富士雄元田 義春
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1983 年 52 巻 3 号 p. 323-330

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抄録
インドネシアのインド型および日本型品種ならびに日本品種の2,4-Dに対する感受性の差異を生理的見地から明らかにするために, 畑の心土を用いて若干のポット試験を行い. 次の結果を得た. 1. インドネシアのインド型品種は日本型品種および日本品種にくらべて2,4-D感受性が大きく, 2,4-Dによる生育阻害(草丈×茎数値, 主茎当たり生存葉数, 葉の緑色程度および地上部の乾物重の減少)が著しかった(第1, 2表, 第1図). 2. 稲品種のエチレンおよびエスレルに対する感受性の順序は2,4-Dに対する感受性の順序とほぼ一致した. 但しエチレンに対する感受性は2,4-Dに対する感受性にくらべて小さかった(第3, 4表, 第1図). 3. 2,4-D施用によって葉から多量のエチレンが発生したが, その発生がインドネシアのインド型品種は日本型品種および日本品種にくらべて著しく大きかった(第2図). 4. インド型品種(IR36)の2,4-D感受性はエチレンの併用によって高められた(第5表, 第3図). 5. 以上からインド型品種の2,4-Dに対する高い感受性は少なくとも一部は 2,4-Dによって生成された多量のエチレンによって高められたと推測される.
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