抄録
冷温処理開始時刻及び処理終了後の水温と明暗処理が稔実に及ぼす影響を調べた。冷温処理開始時の穎花の熟度が同じ (開花までの時間が同じ) ならば, 夕 (照明終了時) に冷温処理を開始した場合の方が朝 (照明開始時) に冷温処理を開始した場合よりも稔実率が20%高かった (図3, 4) 。冷温処理終了後の水温処理 (25℃と: 15℃) 及び明暗処理は, 処理開始時刻にかかわらず稔実に影響がなかった (図2, 4) 。以上のことから, 朝 (照明開始時) 処理と夕 (照明終了時) 処理の不稔発生率の差は, 処理開始時の頴花の生理的特性によって決定されることが推測された。