日本作物学会紀事
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コムギ初生種子根の屈地性の品種間差異
小柳 敦史佐藤 暁子和田 道宏
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1991 年 60 巻 2 号 p. 312-319

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抄録
農林登録されているコムギ133品種の種子根の屈地性を寒天培地で調査した. 発芽種子を初生種子根の出現角度が寒天面と平行になるような角度で置床し,2日後に初生種子根の伸長角度(伏角)を測定した. その結果,種子根の伸長角度には品種間差異が認められ,伏角はミナミノコムギが最も小さく4゜,農林58号が最も大きく64゜であった.品種を育成地で分類すると,北日本で育成された品種は伸長角度が大きく,南日本で育成された品種は伸長角度が小さかった. 供試品種全体では,直立型の品種に比べほふく型の品種,秋播性程度の低い品種に比べ高い品種の根の伸長角度が大きかった. なお,ミナミノコムギと農林58号の間には,根の伸長速度及び直径に大きな差異は認められなかった.
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